自立すること・愛すること・ラダーとなること
真の自立した時、どんな人も愛せるようになるのかもしれない。
そして、ラダーとなって、縁のある人を神性復活へと導いていけるのだ・・・と思いました。
昌美先生が法話で、
これからはリーダーではなく、天と地に梯子をかける人“ラダー”と言う
ことにする
と聞いて、
とても古い本ですが・・・、なぜか
「かもめのジョナサン」のラスト場面を思い出しました。
以下は、ジョナサンの教え子 フレッチャーとジョナサンのやりとりです。
「ジョナサン、あなたはずいぶん前にご自分で言われたことを憶えていらっしゃいますか? あなたは群れに戻って彼らの学習を手助けすることこそ、群れを愛することなのだ、とおっしゃった。
もう少しで自分を殺しかねないほど暴徒化した鳥たちを、どうして愛せるのか、ぼくには分かりませんね」
「フレッチャー、きみはああいうことが嫌いなんだろう!それは当然だ、憎しみや悪意を愛せないのはな。きみはみずからをきたえ、そしてカモメ本来の姿、つまりそれぞれの中にある良いものを発見するようにつとめなくちゃならん。彼らが自分自身を見出す手助けをするのだ。わたしのいう愛とはそういうことなんだよ。
私は荒っぽい若いカモメのことを憶えている。名前は、そうだな、まあ、フレッチャー・リンドでもいい。追放刑になったばかりで、死ぬまで群れと戦う覚悟を固め、<遥かなる壁>に自分のつらい地獄を築き上げようとしていた。
それが今ここではどうだ。地獄のかわりに自分の天国をつくりかけていて、その方向に群れを導いているのだからな」
「ぼくが導いている、ですって? それはどういう意味ですか。ぼくが導いているっていうのは。ここでの教師はあなたなんです。あなたはここから発たれてはいけません!」
「もうきみには私は必要じゃないんだよ。きみに必要なのは、毎日少しずつ、自分が真の、無限なるフレッチャーであると発見しつづけることだ。そのフレッチャーがきみの教師だ。きみに必要なのは、その師の言葉を理解し、その命ずるところを行うことなのだ。」
≪こういって、ジョナサンはフレッチャーを残し、輝きながら高次の世界へ向かって消え去ってしまいます。
突然に師を失くしたフレッチャー、
そして、師、ジョナサンに代わって、若いカモメたちを指導する立場に置かれたフレッチャーは、≫
しばらくして、フレッチャーは、重い心でようやく空に舞い上がり、最初の授業を待ち望んでいる、新入生の印をつけた生徒たちのグループと向かい合った。
「まずはじめに…………」 彼は重々しく言った。
「カモメとは、自由という無限の思想であり、また<偉大なカモメ>のいわば化身であって、体全体が翼の端から端まで、きみらがそれと考えているもの以外の何ものでもないことを理解しなければならん」
若いカモメたちは、呆れたように彼を眺めた。おやおや、どうやらこいつは宙返りの法則とはちょいと違うようだぜ、と彼らは思った。
フレッチャーはため息をつき、もう一度繰り返した。
「ふむ。いや……まあ、よろしい」
彼はそう言うと、彼らの能力を推し量るような目つきで生徒たちを眺めた。
「では水平飛行から始めるとしよう」
そう言った時、彼は即座にあの友が(ジョナサン)が、今の自分と同じように、まさしく聖者なんぞではなかったことを悟ったのだった。
無限なんですね、ジョナサン?彼は心の中でつぶやいた。そうか、それなら僕がいつか すっとそっち側の海岸に姿を現わし、何か目新しい飛び方でも披露できるようになるのも、そう遠い日ではありませんね!
フレッチャーは自分の生徒たちに、厳しい教師と見られるように振る舞おうと努めたが、しかし、彼は突然、ほんの一瞬にしろ、生徒たち全員の本来の姿を見たのだった。そして彼は自分が見抜いた真の彼らの姿に、好意どころか、愛さえ覚えたのだった。無限なんですね、
ジョナサン。そうでしょう?彼は思った。そして微笑した。完全なるものへの彼の歩みは、すでにはじまっていたのだった。
<新潮文庫 かもめのジョナサン リチャード・バック 五木寛之訳 から>
真の自立した時、どんな人も愛せるようになるのだと思いました。
そして、ラダーとして、縁ある愛する人を神性復活へと導いていけるのだと思いました。
真の自立。
『もうきみには私は必要じゃないんだよ。きみに必要なのは、毎日少しずつ、自分が真の、無限なるフレッチャーであると発見しつづけることだ。そのフレッチャーがきみの教師だ。』
自分を信じること、
自分が本来は何者であるか、何のためにここに存在しているのか。
これを疎かにしていてはいけない。
我即神也、神性復活、神性顕現。
自立とは自分の中の神性を信じ、すべては完璧、大成就を信じること、
自分で自分を導けるまで、自分を信頼し続けること。
そうなった時、いつでも縁ある人々を愛することができようになり、そしてその愛を持ってラダーとして働けるんだ・・・・
そう思いました。
by mppoe-light | 2017-07-11 23:04 | 真理について思ったこと